Nの悲劇 序章

悲劇の前兆

ここに記されていく事柄は、事実をもとにしておりますが、筆者の希望により、内容を事実よりも軽くして書き残してあります。
主に筆者の職務上に起こった事柄を記載する予定です。
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10年ほど前に現在(2009年4月)のような世の中の情勢を誰が予想出来たでしょうか?
当時も今ほどではないでしょうが景気が余り良くない感じでした。
でも余裕の残っている企業は今よりも明らかに多かったと思います。
ある企業もその中の一つで、当時はかなり羽振りが良かった事を覚えています。
今現在よりもかなりどんぶり勘定だったと思います。
例えばそんなご時世でも去り行く人は当然いるわけですが、その人の退職金を振り込んだ際に、当時の総務部長が当時の社長に、
「すいません、○○(辞められた方の事です)の退職金を規定よりも多めに振り込んでしまいました。」あまり悪びれた様子も無く報告していました。
しかもその言葉に対し、社長の方も、
「まぁ振り込んじゃったものはしょうがねえだろ。」
と、あまり気にする様子でもなく、その総務部長を責めるでもなく、サラリとその一言だけ言って、その話題はそこで終結したわけですが、その会話のやりとりを聞いていて(しかも人払いをするわけでもなく、おおっぴらに、みんながいるような所で話していた)この会社はまだ不景気の影響をあまり受けていない企業だと言えました。
当時も今ほどではないといえ、景気は上り調子という感じではなかったように思います。なにぶんその前のバブル景気の方が強くインパクトがあったせいか、景気がいいと言うとみんなバブル景気みたいなものを想像したからだと思います。
そんなお気楽な感じの雰囲気で働いていられるなら気が楽だなって、誰しもが当時は安心してタカをくくってしまっていたところがあったと思います。
お決まりの展開ですが、そんな悠々自適な展開も直ぐに終わりが近づいて参りました。

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